楕円形の陶器浴槽
前回のご注文は、陶製品において難易度の高い長方形でしたが、
今回は新型楕円形のご注文を頂きました。
そもそも新形の設計時に円形・楕円形・長方形の3種類を揃えていました。
設計は3Dのソフトを使用し、
私と同じ大きさの人間モデルを、
設計した浴槽にパソコン内で入れてみる…
その状態を観察しイメージするんです。
-くつろげるか、そうでないか、
見えない問題点は無いかなどです。-
新形の円形浴槽と楕円形浴槽の縦断面は、
同じ形状に設計したのです。
このラインを決定するには少々時間が掛かりました。浴槽の淵から底の水平部までの距離が気になったのです。
つまり人が浴槽の淵をまたいで、入浴する際のポーズ、なんです。
男は良いでしょうけど、女性が大きくまたがなきゃイケない浴槽は…
イメージに耐えられませんでした。
ん~これぐらいかな、と幅を決めて底から高さまでの1本のS字ラインを決めました。
従来の浴槽は二次曲面ですが、新形の円形・楕円形の側面は、
全て三次曲面で覆われることになったのです。
特に楕円形は、長径と短径の比率を黄金比にこだわり、
幾何学で描く短径の大きさも”くつろぐ”を意識して少し大きく設計しました。
このことは一見して従来品に無い魅力を持たせることができました。
CG上で見ていても「入りたい!」と思うほどでした。
しかしこの浴槽形状は、従来の成形過程において問題点が何箇所かあることも理解していました。
「浴槽のポルシェをつくろう!」
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後編UP致しました!
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