信楽焼 浴槽 長方形 製作秘話2

信楽焼陶器浴槽

乾燥が終って、直線補間のギブスを取り外し、側面の研磨に取りかかりました。
予測していたゆがみより少なくし上がってくれて、少し安心できました。

さて、最終の焼成段階になるのですが、乾燥した浴槽を見て、関係者で再び論争が起こりました。
釉薬をかけないで、先に締焼きした方がよいという意見が出たのです。
というのは、釉薬が溶けるときに、形状歪みが出やすいからなのです。
無釉焼成の場合では、焼成ギブスたるものを製作して、形状は保てる確証はありました。
しかし、一度高温焼成して、再度高温にさらすと亀裂が発生する確率も高くなります。
「一ヶ所でも亀裂が入れば、これまでの苦労が水の泡だ…。」
これが私の頭の中にこびりつき、無釉焼成案の社長と激しく論争して、結果的には通常どおり施釉して、焼成することで納得してもらいました。
いや、今思うとこのとき、納得はされていなかったのでしょう。

施釉が終わり、いざ窯詰めになってから、携わったスタッフの意見や考えを聞きました。
私は焼成に使う台車の平坦度が低いと、浴槽の上部に歪みや亀裂を発生させる原因になるだろうと考えました。少しでも可能性がある・予測できる問題に、時間を気にしないで対処しました。
あるスタッフの発案で、平坦・平行度も過去に例を見ないほどに仕上がった台車に浴槽を乗せ、焼成炉内に入れました。
しかし、その作業は300kg近い重量と例がない特殊な形状なので、困難を極めました。

1240度への世界、後は神様に祈るしかない気持ちでいましたが、温度の上昇時間と徐冷する時間も、過去に例がないほど慎重にしました。

最終的に浴槽製品を見て、努力が報われた形に仕上がったので、携わったスタッフに笑みがこぼれた事は言うまでもありません。
次回はわずかな歪みにも妥協しないで、さらに克服してみたいという意欲が湧いた事も憶えています。
自問自答と土と対話する時間が、ひと際長かった作品でした。

後日、お客様からまるでオブジェのような浴槽だと評価されました。
情熱や心をこめて製作したものに感動していただける、スタッフの想いが伝わる、本当に嬉しくて苦労が報われ、励みとなりました。 (完)

[信楽焼 浴槽 長方形 製作秘話1]

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